JYPエンタが、独自のファンダム・プラットフォーム構築に向けて始動。プラットフォーム市場で一強になりつつある「Weverse」には参加しないようです。
JYPは最近、プラットフォーム事業に関連して開発者やデザイナーなどの採用を開始。採用分野はソフトウェアエンジニア(バックエンド, フロントエンド)、プロダクトマネージャー、プロダクトデザイナーなど。
新しく採用する人材は、JYPのプラットフォーム部門に所属する。プラットフォームグループはJYPのチョン・ミンジョン最高技術責任者(CTO)直属の少数精鋭組織。同氏は、ソウル科学高校を卒業し、KAISTでコンピューター工学を専攻。その後、米スタンフォード大学でもコンピューター工学修士の勉強をしていたが、中退。現在、JYPでソフトウェア開発と企画、プロダクトマネージャーを担当しています。
今回の採用について、自主ファンダム・プラットフォーム構築に向けたものというの見方が出ています。
JYPはこれまでSMと協力し、ファンダム・プラットフォーム事業を展開。2021年6月、Bubbleを手掛けるSM子会社ディアユーに出資して2大株主になり、所属アーティストをBubbleに合流させました。
K-POPファンダム・プラットフォーム市場で、BubbleはWeverseと共に双璧をなしていました。しかし、その構図を揺るがす恐れのある出来事が発生。
カカオに買収されたSMが、HYBE子会社が運営する「Weverse」に合流することが発表されたのです。SMをめぐっては、カカオとHYBEが買収合戦を演じていましたが、カカオはHYBEが買収から手を引く代わりに、プラットフォーム事業での協力を約束していました。
重要な協力相手が、競合のプラットフォームに参加したことで、Bubbleのプレゼンス低下が懸念される状況。微妙な立場に置かれることになったJYPは、HYBEと組むことも選択肢の一つでしたが、結局独自路線を歩むことを決定したと見られています。
HYBEは4月、Weverseにプライベートチャットサービス「Weverse DM」を導入。これはBubbleの類似サービス。「Weverse」一強体制に向けて猛進しています。
エンタメ業界の関係者は「SMアーティスト参加でWeverseの規模はますます大きくなっており、JYPが危機意識を感じた可能性がある」「現段階で公式的な動きを見せるのは難しくとも、内部的に検討する次元で人を募集することはできる」と話しています。
プラットフォーム部門について、JYPは「会社固有の競争力をデジタル技術と結合し全世界のファンに究極的な顧客経験を提供することを目標にしている」「この過程でファンがアーティストとより一層密接に疎通し関連コンテンツを一貫して快適に消費できる機会を提供する」と述べています。